「できない」と即答されたあの日が、
ターニングポイントだった

工事ディレクター 村上さん
<プロフィール>
2023年9月入社。
大手ゼネコンで大規模建築に携わったものの、建物完成後の感動が少なかったことからモチベーションを保てなくなり、別の世界を見てみようと転職を決意。
(聞き手:ビルダリッジ代表 越川町)
━初登場だけど、気楽に友達のお兄ちゃんと話してるぐらいのつもりでよろしくお願いします。入社したのは2023年の……

 9月ですね。

━そうすると1年半ぐらい。27歳で、前は大手ゼネコンに3年と少し在籍していた。なんでこんな小さい会社に来ようと思ったの?緊張してる?

してます(笑)
大手ゼネコンで、1つの大規模建築の現場に、入社してから3年か2年半くらいいて。
掘削工事から出来上がりの竣工まで携わって。

━何階建て?

35階建てです。地下2階の。そういう大きい建物を運よく最後まで担当させてもらってたんですけど、その中で大規模建築の一部しか携わっていないなあ、っていう感覚がまず1つあって。
けっこうな年数を担当していたことになるし、もちろん色々とつらいことも、楽しいこともありました。
でも、出来上がった時に自分が思ったほど感動しなかったんです。

━なるほどね。

で、次の現場で規模が小さければ、もう少し頑張ってみようかなという感覚でいたんですけど、1回目の現場よりも規模が大きくて。まさかの42階建てで。

━何人ぐらいのチームだったの?

最初のところは、所員だけで50人、60人くらい。2つ目が100人。建築も設備も施工チームも全部いて。

━じゃあ30分の1とか、50分の1の中の1メンバーだった。

はい。もちろんいろいろ勉強にはなりました。2つ目の現場は大きく、かつ途中からの参加なので、1つ目のところよりもっとモチベーションが全然上がらなくて。

━完成見届けまで、時間かかるもんね。

そうですね。1つ目より相当厳しいことになると予想できる現場だったので、ここで転職活動をして、外を見てみようかなと思ったのが動機の1つで。

━1サイクルが長いし、大人数のうちの1人だし。

はい。正直いつどこに飛ばされるか分からないし。全国、どころか世界まで。そうであれば、他にどういう会社があるのか見てみたいな……というのが、転職活動をしようと思ったきっかけですね。

━転職活動を始めてどれぐらいで、たまたまうちを見つけたの?

4月からで、とりあえずビズリーチに登録してビルダを見つけて、町さんからメッセージいただいたのもそんなに遅くはなかったと思います。たぶん5月・6月くらいには、やりとりをさせていただいた気がします。

━なんでこんな小さい会社に来てみようと思ったの?最初にカフェで会ったような気がする。ここ(オフィス)だったっけ?

一番最初はこちらで、たぶん一番最後の「本当に入るかどうか」という時にドトールが空いてなくて(カフェに行った)。
うーん……なんで、なんで(自分はビルダに入社しようと思ったのか)……。
ビズリーチを介して、ビルダ以外も訪問させてもらいましたが、前の会社しか知らなかったので、本当に”興味”ですね。面接は、5社から6社くらい行った気がします。

━ということは比較対象があったわけじゃん。そんな中でビルダで選考が進んで、転職先として選んだ理由は?

まず、入り口からして、僕が知っている施工会社の雰囲気がないな、と。
スーツの方もいなければ作業着の方もいなくて、そこがまず、おお!と思ったところですね。
そして、この部屋に入って町さんと話させてもらって。
まさに今喋っている、この、僕には見たことがない景色だなっていうことに興味を持ったのが、1つ。
その後に町さんだけじゃなくてばやしさん(所属チームのリーダー)あきちゃん(工事部長:石井のあだ名)と話しをさせてもらって。
ばやしさんもゼネコンから来た、という話を聞いて「なんかこういう会社もあるんだ」と、まずは興味が湧きました。
ここに入ろう!と本当に思った理由は、一番最後に会話させてもらったのがあきちゃんだったんですけど
「この人が工事部長をやってるのか。なんかすごくかっこいいな、イキイキしてるな」と。
僕の父親と同い年なんですけど(笑)、かっこいい人だなと。
でも周りの人たちの年齢を聞くと、僕と近い人が多くて面白いチームだなと。
あきちゃんの人柄で、みんなここにいるのかなって。
そう思いながら、帰った記憶があるんですね。

━なるほどね。決める理由の1つが、石井さん。自分の上の世代の大人がわくわく楽しそうに仕事をしていると。
そんな中に入ってからのゆうた(村上のあだ名)の最初の印象を言うと「結構かっこつけてんな、こいつ」みたいな。
今のゆうたはかっこつけずに「できないことはできない」って言えて、フラットになっている気がするんだけど、自分で振り返るとどんな変化を感じる?

入って4~5ヶ月くらいは、正直あまり記憶がないんですけど(笑)
本当にかっこつけたのもありますし、かっこつけた以上にひねくれていたなと。

━ああ、ひねくれてた、が近いのか。

そうですね。まあ「あもんさんの現場で掃除したくない」と言ったのもそうですし。

━(爆笑)

まあ心の中で「ちゃんと指示してくれよ」と思っていた自分がいましたし、でもそれをあもんさんに自分から聞けてなかったと今なら思うし。
だからそういう流れで、ひねくれてたっていう感覚が僕の中であったと思いますね。
で、11月。決算賞与の話の時、まだ西ヶ原の現場が始まってなくて。
現場について聞かれた時、僕は「できると思う」と答えたら(代表:越川から)2つ返事で「できないと思う」って返されて。それが本当に僕の中では悔しくて。
でも、いつ着工するとか、そういったところはわからないというのもありましたし。
年が明けて2024年の初詣から事務所に帰る時に、あきちゃんから
「西ヶ原、短いスパンでやらなきゃいけないことになってるんだけど、どう?」
みたいなことを言われて。
11月に「できないと思う」と言われた悔しさが、本当にずっと残っていたから「やります」
って答えました……あの現場から、ですね(自分が変わったのは)。
ビルダでは「1人1現場」ではないので、たしか3つ4つくらい現場を持たせていただいて、その中で「できるだろう」と思ってチャレンジしたんですけど、できないことが重なって悔やしくて、結局あきちゃんに電話して「わかりません(できません)」と。

━泣いた日ね、電話で。

誰にも見られてはいないですけどね(笑)

━(笑)できない自分をちゃんと開示して。

そうですね。その後も、何回もあきちゃんから教えをいただいた時がありますけども、間違いなくあの時から変わったと思っています。

━変わったと思うよ、俺も。

はい。でも(電話で泣いた日の前に)町さんに「できないと思う」って言われて「やったるわ」みたいなことを思っていた自分がいたからこそ、たぶん変われたのだと思います。

━たぶんね、技術的にどうこうで「できない」って言ったんじゃなくて、今のゆうただと、うまくいかない現実にぶつかった時に前に進めるだけの気概と心の体力がない。マインドセットがないなと思って言ったんだと思う。
でも結局できなくて、そこで逃げず、誰かのせいにせず「できるようになりたい」って悔しくて泣いて石井さんに電話したあの日が、ゆうたの大きな分岐点だったし。
最終的には西ヶ原の上棟を間に合わせたし、それがゆうたのすごい変化だなと。
うちは、できないことをかっこつけずに開示して、転んだり色んな人の力を借りながら、どう物事を前に進めて依頼者のニーズを満たすかが、僕は仕事だと思ってるから。
そういうところでよくわかんない”プライド”みたいなものも捨てられたゆうたを、頼もしく思えてるよ。
2025年2月の今、特に。

ありがとうございます。

━同時に、後輩の面倒も見ながらやってくれてるという意味でも、ありがたいなと思ってるし。
そんなゆうたは20代中盤、どんな人に来てくれたらいいなって思う?
仲間は常に募集してて、でも嫌な人には入ってほしくないからさ。
そう簡単にじゃあ入れよう、ってならないじゃんうちは。
でも「こんな人が来てくれたら一緒にできるな」とか、どんな人と一緒に働きたいな、どういう人がビルダと合うよ、ここ来ると変われるよ、とかある?

そうですね……
表現が合っているか分からないですけど……(長考)
馬鹿正直っぽい、人な方が合うんじゃないかなって。
僕が言うのもおかしいですけど、あまり世間を知らない(笑)。

━なんでよ(笑)ゆうたが馬鹿正直で世間知らずなの?(笑)

今3人を見させてもらってて、(自分を含め合計)4人でやろうってあきちゃんに言われてから、たぶん3か月くらいは経ったと思うんですよね。
その3か月の中でも変わったなと思うんですよ、3人が。
その中でも栗田(後輩)が一番自己開示をしてくれて僕が助かっているところがあって。
でも最初の僕の正直な栗田の印象を言うと、群馬か埼玉から出てきて専門卒で21歳とかで、なんか”馬鹿正直”っぽい、というか。
みんなとのご飯会とかでも「そういう言葉遣いしちゃう!?」とか(笑)
でもそういう中で、馬鹿正直だからか、「次こうしたい」とか「これわかんないっす」と言える感覚を栗田が最近一番持ってるな、と。
だからビルダには、そういう人の方が合うのかなと。

━プライドが高い人は合わないよね。プライドを強く持つのはいいんだけど、プライドが高くて自分の防御に使っている人に対して僕らは「この人、何やってんだ?」ってなっちゃうし、居づらくなるよね。
できないことはそれでよくて、できるようになればいいだけ。なのにそれをできた風にする、みたいな人は合わないというか苦しくなりそうだよね。

そうですね。まあ3人、誰がダメとかじゃないんですけど、栗田が一番なんだかいい感じになってるな、と。

━それ本人に伝えてあげたら喜ぶと思うよ。俺もゆうたにいい変化があれば、いつも伝えようにしているし。それって大事だから。
今日は第一弾、初めてのゆうたのインタビュー。また1年後、2年後に話聞いて、その時のゆうたの変化・反応が楽しみだなと思いました。

僕も町さんとこんなに15分も、二人で話すのは就活時ぶりなので本当に楽しかったです。
ありがとうございます。

━またやろうね。