16年修業した施工会社の娘と結婚し次期社長と呼ばれた石井が、
なぜ、ここに?

工事プロデューサー:石井さん
地場の工務店で建築一筋、建築大好き25年 。一番長く働いた施工会社の社長の娘に猛アタックし結婚 。
なぜ、次期社長のイスを約束された石井がビルダリッジにいるのか?
奥さんの反応は?
その真相を、石井が語る……
━今日は石井さんのことを教えてください。まずは自己紹介をお願いします。
 
ビルダリッジで工事部長をしている石井と申します。
 
━ビルダリッジに来る前は、どんなお仕事をしていたんですか?
  
小さい工務店で、注文住宅や木造、鉄骨、RC……色々と手掛けている会社に入社し働きました。
そこの工務店の社長の娘にも猛アタックの末、結婚。それから10年くらいそこで働いていました。
  
━なるほど。昔からやり手だったんですね(笑)。
 
ははは(笑)。その後、色々あってその会社を退職し、友人が経営する会社に入社することになりました。
工務店時代に関係のあった設計士さんから新築工事のお仕事をメインでもらっていたのですが、設計士さんからというのは、なかなか安定して仕事が入って来ないんです。
「安定的に仕事を取れるようにしたい」と思い、色々と仕事を探していた時に、ビルダリッジの親会社であるPlanCのアパートの新築工事の求人を見たんです。そこで、役員の越川さんに出会いました。
 
━なぜビルダリッジの工事部長になったんですか?
 
もともとはPlanCがお客さんで仕事をもらっていたんです。
当時、友達が新築工事をやることに慣れていなくて、そのうち受けるのが難しくなってしまいました。
私は仕事を続けなくてはいけなかったので、越川さんに「仕事をください!」と言って。そんな流れの中で、たまたま日曜日に越川さんと現場でお会いして「焼肉奢るから昼飯に行きましょう」と誘われて。
 
━ついて行ったわけですね。
 
越川さんはお客さんなのに、ボロボロと「私はこうしたいんだけど……」と打ち明けました。
越川さんは「だったら、石井さん独立してやったらどうですか?」と。さらに「最初、資金が必要だったら出しますよ」ということまで言っていただいて。
 
━お客さんなのに、そんなことを言ってくれたんですね!
 
一応カミさんがいるので、家族に相談するということにしてその日は別れました。
うちのカミさんは両親が工務店を経営しているので、大変さも知っていて、私に経営の才は無いと言われました。「あなたは会社員になったほうがいいから」と(苦笑)。
そのことを越川さんにお伝えしたところ「ビルダリッジという会社を作るから、そこに入ってやったらどうですか?」と言われました。そこで「お願いします」と言って、ビルダリッジができたというわけです。
 
━ビルダリッジは石井さんのために作られた会社と言っても過言ではないですね?
 
スタートは……そうですね。自分で言うのも恥ずかしいですけど、でも本当にありがたいです。
 
━なるほど。最初はお客さんだった方が自分の上司になったんですね。石井さんの友達に現場監督の方がいたとして、自分の会社をどんな会社だと伝えますか?
 
自分がこれまでに培ってきたスキルを思う存分発揮出来る環境にあります。
当然そこには責任も発生しますが、挑戦できる範囲が大きくて、自分の裁量次第で色々なことができます。
「今までやってきたことがこう活かされるんだ!」という楽しさを感じましたね。
あとは時間で管理されていないので、基本的にタスク管理です。毎日出勤はしなくていいし、必要な時に集まって打ち合わせすればいい。
時間を自分で組み立てて仕事することができる。会社に行かなくてもいい時は、自宅で仕事をすればいいですし。
私は家が横浜なので通勤に時間がかかるんです。
往復3時間くらいとられてしまうので、その時間を仕事に使えば、仕事が早く終わるじゃないですか。
できた時間を色々なことに使えるのもすごくいいと思います。
 
━他にどんな会社の特徴がありますか?
 
役員の越川さんや社長の古川さんともあまり上下関係はない感じです。
私は工事部長なんですが、現場の監督たちともフランクに接しています。対外的には工事部長がいないと対応できない場面もあるので、私がそのポジションについていますが基本的にはフラットな関係です。
友達ではないけれど大切な仲間ですね。ワイワイガヤガヤと「ああでもない、こうでもない」と言いながら賑やかにやっています。
 
━監督さんたち、よくグループLINEとかをしてますよね。
 
そうですね。色々作ってくれて、私もそんなに得意ではないんですけど。
 
━28歳の監督さんがコンサートに行ってる写真を流してましたよね(笑)。
 
野球ですね(笑)。我々は会社で仕事をしていましたけど、グループLINEで「今こんな感じっす!」って写真を送ってくれて。
 
━仕事だけじゃなく、プライベートのことも言い合える仲間なんですね。今は少人数ですよね?
 
そうですね。基本的には少数精鋭でやっているので、やった分だけ給料に反映されやすいです。
 
━石井さんありきで生まれたビルダリッジですが、あえてビルダリッジの嫌なところを教えてください。
 
嫌なところ……。難しいですけど、私にはすごい合っているんですよ。
嫌なところって正直ないんですよね。
ただ、まだ走り始めたばかりの会社なので、新しい監督さんが来ても、私が「ああじゃない、こうじゃない」と教えなくてはいけないから、大変(笑)
 
━まあ、部長ですから(笑)。やってください。
 
ははは(笑)。まあ、それくらいです。
 
━そんな石井さんですが、毎日のビルダリッジでの仕事は充実していますか?
 
ステップアップして給料も上がり、評価もしてもらい、この上ないスタートをビルダリッジで切ることができました。仕事も充実しています。
 
━今日はありがとうございました。

2回目のインタビュー(2021年)

―石井さん、前回インタビューしたのが2019年の夏なので、1年半前ですね。
今2021年1月に、工事ディレクターを新しく増やそうと思っているので、改めてインタビューする中で 
文字だけでは分からないビルダリッジのことを本音ベースで知ってもらえたらと思います。
石井さんから見て、3年働いた、一緒に作り上げたビルダリッジはどんな場所ですか?

ここに「仕事」をしに来ている感覚がなくて、遊び場的な場所になってます(笑)

―コウセイも同じこと言ってて、家から職場行くときに、家から家に行くような、遊びに行く感覚だって言ってましたね。

どっちかっていうと、家にいるよりこっちにいた方が落ち着くというか(笑)それくらい、めっちゃ居心地がいいですね!

―楽しそうに仕事してるなって見てて思うし、下は21歳で息子世代ですよね。
それでもカッコつけることなくスタッフにあきちゃんって呼んでもらってて、いつもすごいなって思ってみてます。

強引に呼ばせてます(笑)それで少しでも近づけたらと思って。
普通にしてても上司ってだけで怖く見えることを知って、いじられる位がいいかなって思ってます。
最近やっとみんなが自然とあきちゃんって呼んでくれるようになったけど、それまでは結構努力しましたね(笑)

―それですごく距離が縮まったように見えましたよ。
今、石井さんが率いている施工チームはどんな感じでしょう?

未経験の子を1年10カ月育ててきて、最初はすごく嫌で、無理だ!プレーヤーとしてやってた方がいい!と思ってたけど未経験の彼らと、育成未経験の自分と「一緒に初心者同士やっていこう」と思ったら、楽しくなってきましたね。 
彼らがすごく可愛いし、彼らを見てるとビルダリッジの明るい将来しか見えてこないし、将来どんなディレクターになってくれるんだろうと考えると、楽しみで仕方がないですね。 

―いつもニコニコしながらその話してくれますよね。

やる気というか、楽しそうにやってる雰囲気は、みんなからも醸し出されてますよね。
これから来てくれる子が、これを見てたとしたら、今ならもうちょっと上手く育てることができる、ような気がします(笑) 

―一緒に転びながら、失敗から学んだ1年10カ月でしたもんね。どんな人が来たらいいと思いますか? 

とにかく元気な子がいいですね!出来ないのは俺も一緒だし、監督のスキルはやってれば積み上がっていくものだけど、もっともっと大事なものを学んでもらう為に、元気で素直な子が1番じゃないですかね。 
今まで元気で素直じゃなくても、ここから俺は元気で素直になるんだ!って決心して来てくれるでもいいし。
「ここからどうしたいか」という想いが強い子がいいですね!

―石井さんから見て、ビルダリッジはどんな文化、特色がある会社ですか?

仕事場というよりも、人生を生きていくうえでの「たまり場」という印象が強いんですよね。
スキルだけを身に着けたいと思ったら物足りないかもしれないけど、20何年現場監督をやってきて、スキルよりももっと大事なものがあって その人間性とか人格は、仕事をする上でとても重要なものだと最近思いましたね。 

―どんなことがビルダリッジで学べますか?メリットは何でしょう?

「失敗してもいいんだ」ってことをまずは知れること。

―失敗から学ぶ、はよく言っていて、ボクも率先して失敗してますもんね。

町さんが言う通り、失敗しないと成長もしないんですよね。
失敗しないようにすると、守るから挑戦しない、つまり成長しないし、失敗した時に隠そうとしてしまう。
するとそっちばかりに気を取られて、結局成長しないんですよね。
自分の頭で考えた上で失敗する、これは大いにやってほしいですね。
自分で考えずに、誰かがこういったから失敗しましたはダメですけどね。

―失敗から成長する、これはビルダリッジの根底に流れる特色ですよね。
他にビルダリッジを表す、考え方とか価値観はありますか?

オープンというか、さらけ出す、自己開示ですかね。
失敗とか恥ずかしいことでも言っちゃいなよ(笑)って感じで。

―失敗を開示できる方が成長も早いし、カッコつけてる間は、自分で自分しか見えてないですからね。

そういう意味でも、「成長したい」「もっとこうなりたい」という意欲がある人にはハマるけど、
保守的な子や、これくらいでいいやと思っている人には辛い環境かも。

―ビルダリッジの工事ディレクターの仕事で、他の会社では身につかないものって何ですか?

クレドにもあるけど、みんな「出来る理由から考える」よね。
出来ない理由を考えても仕方ないって思って、出来ない理由を考えなくなったと思いますね。
あとは、思い立ったらすぐ出来る。
みんな失敗したくないとか、思っちゃうからこそ、これはすごく良い環境ですよね。

―失敗するのがダメっていうのは、日本の義務教育で刷り込まれてますよね。減点主義とか、他の人との比較とか。
まこちゃんが、友達との関係で愚痴に違和感を持つようになったみたいで。
「出来ない理由を探して、そこで思考停止してていいの?」って言ってるまこちゃんを見て、尊いというか、キュンというか(笑)

ウチは出来る理由から考えるから、出来ない理由を考える99人よりもアドバンテージがあるんですよね。

―工事ディレクターの仕事は、小さな会社の経営と一緒だと思うんですよね。
お金を使って、人を動かす。孤独も感じるだろうし、人が思ったように動いてくれない。
でもお金を作り出すこと、建物を造り上げること、トラブルと向き合うこと、経営者と一緒だなって。

ボクは後ろで支えてもらってる分、好き勝手やらせてもらってますけどね(笑)

―確かに石井さん好き勝手やってますよね(笑)
でもそれは、ボクが120%石井さんを信頼してて、何かあったら一緒に解決しようって覚悟があるので
ミスやトラブルがあっても、石井さんがのびのび自由にやってる方が楽しいし、実りもあると思ってます。
このボクのスタンスで、自由を感じてもらえてるなら嬉しいです。
ビルダリッジをどんなコミュニティにしていきたいですか?

いわゆる施工会社って、設計とか施主とかとテーブルの向こう側で対面する形になるんですけど、
ビルダリッジの置かれてる状況は特殊で、同じ方向を向いてやらせてもらってる。

―確かに、設計も施主もこっち側ですね。向こう側にあるのは、「いい建物を造る」という目標だけ。
みんなが同じ方向、同じ目的を向いてますね。

だから、まだまだ未熟だけど、他の施工会社では造れないものが造れる気がするんですよね。
ビルダリッジでは、ダメと分かった時点ですぐ次の案にシフトできるけど、他の施工会社ではそれが出来ない。
そのスタンスがとても貴重だと思うんですよね。

―目的に対して愚直ですよね、目的以外の他を見ないと言うか。

「いい建物をつくろうぜ」だけを見て仕事ができるから、
現場監督と設計の両方をできる新しい人材が生まれるんじゃないかって思いますね。
今はまだ未熟な点もあるけど、「工事はビルダリッジにお願いしたい」って言われる会社になりたいですね!

―それでいて、施主を感動させるような、施主の期待値を超えるような仕事をしたいですね。そのためにも、人を増やしてチームを強くしたいですね。 石井さんから見て、どんな人が向いてる、向いてないと思いますか? 

自分に嘘をつかないことができる人、ですかね。
嘘ついたり、誤魔化したりする人は向いてないと思いますね。
あとは、何やったらいいかわからない、自分の天職は何だろう?と悩んでいる人はいいかもしれない。
職種なんて何でも良くて、人生における大事なものは別にあって、現場監督のスキルは、武器の1つでしかない。
人間性の方がよっぽど大事で、現場監督の仕事で予期せぬ出来事に遭遇した時に、その人間性が磨かれると思いますね。

―じゃあ、悩んでいる人がいたら、一回ウチの門を叩いてみたら?って感じですね。

そうですね!絶対楽しくなると思うし、俺は20代の時にここに居たかったなと思います。
そしたらもっと成長できてたかもしれないし(笑)

―最後に、見ている人に何かメッセージがあれば。

最近よく思うのが、長く続けていると良いことあるよ、です。
仕事じゃなくてもどんなことでもいいので、
1つのことを辞めないで長く続けていると、見えるものが増えて、学びも増えます。

―「いい建物を造りたい」「いい人生を送りたい」「楽しく働きたい」
みんな、ここには愚直に向き合ってくれていると思うので、同じように思う人に来てもらいたいですね。
今日はどうもありがとうございました!

3回目のインタビュー(2023年)

(聞き手:ビルダリッジ代表 越川町)
―撮影は3回目。前回が2021年で、どんな話をしていましたっけ。

動画を見返しましたけど「何言ってんだこいつ」って思って(笑)。
まあ、町さんがけっこう聞いてくれていたので、会話になっていて。
楽しいとは言っていましたね。

―石井さんは施工の責任者として2017年の7月、つまり6年前に来てもらって。
ビルダリッジは、石井さんと一緒に立ち上げたと思っているんですけど、この6年を総括してもらって、どうですか?

まだ6年しか経ってないんだ、っていう感じですね。
いろんな人が携わって、いろんなことがあって、中身がすごく濃かったので。
合わなくて辞めて行った人たちもいますが、今ではそういう人たちがいたお陰で今があるのかなっていうのはすごく思いますね。
いろいろ変化させながら今の形になったから。
いろんな出来事に関して町さんと一緒に考えてきたけど、なんとなくこんな感じでこの線で行って、みたいな方向性が去年1年で見えたかなっていう感じはしましたね。

―そうやって見えたこともきっとまた1年2年ですごく変わっていくしバージョンアップしていくわけで。
上手くいかないことも絶対起きるので、そこをたぶん僕らがいつも言う「起きたことからどう学ぶか、次に同じことを起こさないために何を学ぶか」を6年半ずっとやってきたと思う。
施工会社の常識は僕にはないので、目的志向で目的のためにどうやって一緒に組織を作っていくのか、と。
石井さんはこの6年半で特に「建物を作る人」から「組織を作る人」にもなっていったわけですが、その辺はどうですか?


言われてみればそうですね。最初はすごい抵抗がありましたよね。
やっぱりプレイヤーとしてやっていたほうが経験もあって楽なので。
まあでも「チーズはどこへ消えた?」の話じゃないですけど、居心地が良いのでそこから出たくないなっていうのはすごくありました。
でもそこに理屈をつけて反対していた自分がダサいなって、今は思いますけどね。

―新しいことをどんどんやれるのに、そういうところに留まることのほうがリスクというか、怖さというか。
リスクなんですよね。このことをどうやってみんなに伝えればいいかなと、思ってて。

自分たちがやっていることに対しての「これじゃダメだよ」っていうお知らせみたいことや、「これを拾ってこうやって手を打てば、また結果が出るよ」と動き続けることを浸透させたいな、とはすごく思いますよね。
各自でそうやって仕事を回せていけば、ほぼほぼ見守っているだけで良い方向に行きそうだなとは思いますけど。
それは去年、発注チームとかチーム分けをしてみてすごく分かったし。
成長も早いんだなっていうのは分かったので、チーム分けしたこと自体よりもそれが良かったかもしれないなと。
ただそれもいろんなことがあって考えたことなので、何が転じてどうなるかっていうのは本当に分からないなと思います。

―石井さんとの6年って、そういう歴史の中でうまくいかない現実から「次どうする?」というアクションをいかに起こすかという時間。
信頼している石井さんとの関係がある上で言うと、石井さんはそれができるようになった人。
できない理由を言う方がみんな簡単で、環境が良くないとか、できない理由を言っている方が自分のせいじゃなくなる。
でもどうやったらできるんだっけって考える側に行けた方が、僕はバリューが高いと思ってるから、それを今度入ってくる若い人たちや今いる子たちにどうやって伝えていくかが僕と石井さんのテーマかな。
どうですか、その辺りは。

それを伝えるためには、やっぱり自分が楽しそうにしてること。
「すげえ大変なことをやっているのに、あの人なんか楽しそうにしてるな」みたいなことが大事なのかな。
しかめっ面をしていたりするのは違うなって思いますけど、気づくとやっぱりこう(眉間にしわ)もしてるんで(笑)
自分が楽しんでいる姿で、みんなも「そっち行った方が楽しいのかな」って思ってくれたらすごくいいなと思います。
現にめちゃめちゃ楽しいですけどね、今。
上手くいかないことばっかりですけど、だからこそできた時に嬉しい。
若い頃はすぐ手に入るものばかり欲しかったですが、今はどちらかというとじっくり手をかけて積み上げないとクリアできないよね?っていうことをやるほうが楽しさを感じるな……年なのかもしれないけど。
その面白さを知っちゃったんで、そのスパンが「1年かけて」が3年になり5年になりってなったらもっと楽しいのかなとは思いますよね。

―そういう長いスパンで人はものを考えられないですからね。
美味しい果実は先に食べたいし。

その時間軸を伸ばしただけで、ものすごく選択肢も増えるし考えに余裕が出て、結果的に良い打ち手が出て良い方向に流れるんだなって思います。
やっぱり目先を追うと上手くいかないって思うんですよね。

―僕から見て石井さんは一回り上の先輩ですけど、この6年半で石井さんの視野が広がる、選択肢が広がるのをとっても感じるんですね。
完全に仕事上の上司部下の関係で言わせてもらうと。
何を大事にして石井さんがそうなれたのか、転職に迷っていてうちに来てくれるかもしれない人、石井さんのチームの施工やバックオフィスの人も対象として、大事なことを3つ伝えるとすれば何を伝えますか。


一番は多責にしないこと。これはけっこう大事で。
それをした瞬間に学べなくなって、もったいないとすごく思います。
昔は自分を守りたくて多責にしたくなっていましたが、それって損をしていて、日々学べることをたくさん失っていると実感したので。
そうやって学ぶと次のステップに行けるんで、2つ目に大事なことは「楽しむ」。
わーって楽しむことじゃなくて、できることが日々増える楽しさですよね。
自分は死ぬまで楽しんでこの仕事をやれるんだろうなって思います。

―仕事が楽しくなったら人生幸せですよね。
生きている時間の3分の1とか半分を仕事していて、楽しい時間が増えるってことは。

なんとなく、仕事っていう感覚でここに来ていないという感覚はあります。自分のやっていることに対して、もうちょっとこうしたいな、というのをずっと考えて試行錯誤していて。
休みの日にプライベートで筋トレとかをしていても「あっ!」と思い出してメモをとったり。むしろ仕事以外のことをやっていると、すごく繋がることが多いなって思います。
かみさんともそんな話はしますが、この6年で自分は成長はしたと思うんですよね。
それはプライベート、たとえば家族の問題だったり、いろんなことに出合った時に、大人として意見が持てたりとか……
自分の意見が持てるようになったのは町さんとやってきた時間が効いているのかなって思う。
「なんでそうしたんですか?」って意図を聞かれると、最初の頃は「いや、そういうもんでしょ」ってなることがすごく多かったんですけど、最近ほぼなくなりましたね。
自分の中で整理して「これだからこうやろう」とか(言語化できるようになった)。
でもまあ自分も6年かかったんで、次に大事なのは「時間」。すぐに手に入らないことだからこそ価値があるし。

―伝えたいことの3つ目は時間。

やっぱり、焦っちゃうんですよね若い子たちは。
すぐ欲しがっても、そんなすぐに手に入るものではないし。
やっぱりじっくり耐えて芽が出るまで、腐らず愚直にやることは素晴らしいことだと思うんですよ。
いつの間にか花が開いてできるようになれば「できるアピール」とかも必要なくなるし。
その辺は周りが色々教えてくれますよね。
違うことをしている「どうなの」っていう話も出るし、周りを鏡として拾えたら成長するんじゃないかなと思う。

―「楽しむ」と「時間をかける」は裏表みたいな話かなと思っているんですが、楽しいから続けられる。
当然苦しいと、生物は逃げるから。
楽しむっていう面で、僕は2つの意味があると思ってて。
楽しむと言っても、努力して楽しもうとする人間の方が楽しみやすいような気がある。
あとは楽しいと”楽”は違うので線を引いておかないと。

そうですね。やっぱり人間は多少ストレッチをしないとダメな生き物なんだなってすごく思います。
身体もそうだし。
うちの会社の子たちはみんな若いので、自分も年を取っていくと体力もつけとかないと、ついていけなくなっちゃう。

―僕も40ですので、ちょっと感じます。
また話を戻して、2つ目の「楽しみ」でいうと、石井さんが楽しむようになったのは、考える癖がついた、考える力がついたということと、罰コントロールじゃないということだと思う。
上手くいかないことから学ぶ、次どうするんだっけ?っていう姿勢が習慣されたことで、石井さんに楽しいサイクルが生まれ始めた。それが大きい気がする。
どうやって目的に近づくかを考えて、上手く行かないところがあれば学んで学習のサイクルが早くなってできること増えて、できたことに対して感謝されると楽しいじゃないですか。
その中でいっぱい失敗もすればいいのかなって。
学校教育が罰コントロールや減点主義なのかもしれないけど、もう少し生きやすい価値観とかパラダイムシフトが必要なのでそこを石井さんと一緒に伝えていきたい。まさに石井さんが自分で1番体現しているので。

たしかにここで罰コントロールをされたことはないですね。
だからこそ、失敗から学べばいいんだってなって。
失敗してもそこからは学ぶだけ。
それをやっていると最近町さんが「過去の事実は変えられないけど、意味づけは変えられる」って言う人生になるのかなって思う。

―失敗から学ぶ作法を身に付けると、他責にする必要がなくなると思うんですよね。
そこが全ての話に繋がってくるのかなと。
できることが増えて、自分主導で誰かの役に立つ。そこに繋がる環境にしたいなって僕は思っています。
最後に、このビルダリッジをどうしていきたい、どういうチームにしていきたいなと思いますか?

建設会社なので、一つはクオリティというか、今よりもっと洗練されたものを生み出していきたいですね。
これどうやってんの?って思われるような建物を作りたい。
あとは今ここにいる人たちが楽しく、遊んでいるようにみえて実はすげえことをいっぱいやっている、みたいな。
そんな集まりにしたいですかね。
なんか必死ですごいものを作っているんじゃなくて、笑い声が聞こえたりしながら実はやってることすごいよね、みたいになればカッコいいなと。
そういうチームにしたいですね。

―楽しみながら自分の見返りもあり、能力も増えていく・できることが増えていく。
そんなチームにできたら、最高ですよね。
今日はありがとうございました。