同世代に伝えたい
「変化の中で働くって楽しい」

設計部 曽根さん
<プロフィール>
2022年4月入社。学校を卒業後、就職するか、働かずに2級建築士の取得を目指すか迷っていたところ、面接で代表の越川のパーソナリティに惹かれてビルダリッジへ入社。

(聞き手:ビルダリッジ代表 越川町)
―曽根ちゃんドラマーだからファーストテイクが得意かもしれないけど(笑)、よろしくお願いします。
今はビルダの役割上としては、どんなことをやっているの?

施工図を担当しています。

―入社して1年7か月ほど経ったけど、最初バイトから始まって、うちに来たのが二十歳の時で……会社の平均年齢めっちゃ下げている(笑)。
面接の時に「働かずに2級建築士の資格を取るか、働くかで迷っている」と言っていたよね。
働かずに資格の勉強をするという選択肢って、いちおう楽だしキレイじゃん?
でもなぜうちに。

会社の仕事が何をしているとか正直どうでも良くて、町さんが何を考えているのか気になって。
「キャラクターに一目惚れ」って感じです。

―なんでだろう、それ?アマゾンの奥地で見たことない珍獣にあった、みたいな?

面接の時に、会ったことがないタイプの大人ですって言った気がしますね。
思考が止まっていないというか、私が当時思っていた大人っていうのが年齢を重ねるにつれて経験も増えて、
自分はこう思うっていうのが固まってくるので。
親も「こうだから!」みたいになるし、学校で会う大人も先生なので「これが正しい」とか。
でも、むしろそれがかっこいいんだろうな、目指したいなって思っていたけど、町さんはどちらかというともうちょっと少年っぽかったんです。なんだかすごくわくわくして。

―「暫定の答え」みたいなことは確かに言っていた。
この瞬間こうだとしても、2年後何を思っているか分からないからね。
それってその2年間の変化成長が楽しいわけじゃない?
若い時の頭の中で未来はこうあるべきみたいに考えても、未熟な状態で考えている未来像しかないわけだよね。
でもそんなの超つまんないじゃん。
だって30代、40代、豊かな自分になったときにと全然違うわけで。
だから平気で朝令暮改をする……それが少年っぽさ、という表現になったのかもしれないけど。

図面を作成していても工期は1年とかある中で、そういう意味で町さんの考えが日々アップデートされていくので「今、町さんはこう言っているけど、ラボや社内検査 の数ヶ月後の町さんは違うことを言っているかもしれない」って想像するのも面白いです。
それ自体も、たぶん町さんのそういう面に影響を受けて仕事ができているんだなと思います。

―仕事をする上では一般的に「いや、あの時そういったじゃないですか」みたいになりそうじゃん。
でも俺は本当に朝令暮改だし、下手したら覚えてないからさ。
今、スクラッチでもう一回考えるとこうだよ、みたいな。
それは、ごめんって思う部分と、別にいいじゃんって思う部分とあるんだけど。

あえてかな?くらいに思っていましたね。
だったらどうしたらいいの?って投げかけられているのかなと。
私もけっこう忘れっぽいですし。
ここまで来たら町さんが今言っていることを反映しておこうという行動ができて、私的には幅が広がるから、今みたいな環境のほうが鍛えられるって思っています。

―前は3つの選択肢だけだったのが、今考えると4つ目が見つかることが日々の変化成長なわけだからね。
一緒に働く人たちからすると「いやマジ困ります」みたいな話かもしれないけど。
でも、目的志向として目的に近づくこと、誰かを助けるとか、誰かに役に立ったとか、誰かのニーズを満たすっていう意味では、選択肢が増えて、その人がハッピーになればいいじゃん。
それって別に曽根ちゃんも俺に同じことしてくれていいわけで。それがたぶん成長なんだと思うんだよね。もちろん固い一貫性、目的のために真摯に向き合うっていう一貫性があって、その下で平気で手のひらを変える。それを21歳で理解できるってすごいね。
ただ、この半年くらいで悩んでいる曽根ちゃんもいたわけで。
同時にもまた直近では顔つきが変わったなと思うのも見てたのね。
何に悩んでて、何で今はそれをブレイクスルーしたんだろう?

目的を見失っている時期がありました。
自分がただ機械的にやってる感じがあり、何をしに来てるのか分かってなくて楽しくない時期がありました。ただ、それ(目的志向)に気づいたら、じゃあ何を求めようかな?と意識が変わって楽しくなったんです。

―あえてこんな質問をするけど、なぜ曽根ちゃんは今この会社にいるのだろう?
この会社で頑張っているなって、日々思うのね。曽根ちゃんの成長が楽しみだなって。
ただ、選択肢はいっぱいある中でなぜこの会社で頑張ろうとするのだろう?

ここで過ごす自分の未来……って言うとちょっと大げさすぎるかもしれないんですけど、それが気になりました。
ここにいて「変わらないことがない」、たぶんここにいる限りなんかしら変わり続けるんだろうなとか、新しい刺激があるから、ここにいます。

―そんな中、例えば学校時代の同級生とか同じ20歳ぐらいの子がいっぱいいて、楽しくなさそうに働いている子たちもいるわけで。
その子たちに「なんで曽根ちゃん楽しいの?コツは?」と聞かれたらなんて答えるかな。

私が楽しい理由は、ここにお仕事だけをしに来ていないからだと思っていて。
これはたぶんビルダリッジらしさなんですけど、仕事の延長線上で関わる仲間っていうのだけじゃない機会があって。
イベントや、読書会とか。仕事以外の思っていることを聞き出せる時間が多いので。
学生時代の同期はたぶんそういうのがないのか最初の1年ってやめちゃう子が多く、同じ仕事を続けている友達があんまりいないです。
他の会社は、「罰コントロール」的なところが強いんだろうなって思ったりもします。
たぶん、お仕事で頑張りたいって思い続けるのを邪魔してくる何かが多すぎるのかもしれません。
そういう面で言うとビルダはむしろ仕事だけについて考えることもできるぐらい、人間関係とか圧を考えなくていい時間で構成されてるので、違うんだなと思います。

―確かに罰コントロールはしたくない。
楽しく働くのが大事なのに、
社会で働く経験がなかったり、一社だけ行って「働くって嫌だな」ってなっちゃって終わっちゃう人もいるわけじゃん。
働くって楽しいんだよっていうことを、若い同世代に伝えてあげられるんだとしたらなんて言ってあげられるかな?

今話したまとめみたいになっちゃうんですけど、目的を考えることと、未来にワクワクすること。
もちろんできない時期もあったり、自分の管理ができなくてそういうことを忘れちゃう時期もあるんですけど、基本はその2つですね。

―日々起きるいろんなことと向きあえば向きあうほど、それで想像したことがない自分に出会えるかもしれないし、その自分に出会えた時の楽しさを知ると、仕事をやってると楽しいなと。
それも誰かのために仕事するわけじゃん?そうする人にも感謝されて、
報酬も伴って、俺でも生きてていいんだなと思ったりする。
そうやって振り返ったら人生としては幸せかもしれない。
ちょっと話変わっちゃうんだけど、会社に1年以上いてくれるわけだけど、ビルダのキャラクターって何だろうね?
ビルダのことを、見ている人にいろんな側面で知ってもらいたいからさ。

私が入った時のホームページにあったキャッチコピーに「家族募集」みたいな感じのがあって、「またまた~」って思ったんですけど、私がこれだと思うのは”部活っぽい”という表現です。
あと、めっちゃ小さいことなんですけどいくつかあって、例えば重い荷物を持っている誰かがいた時に「行った方がいいかな、どうしようかな」って迷っているうちに終わっちゃうみたいな、行けばよかったかなっていうことがありますよね。
でも、ビルダでペットボトルの配達が来たりすると、その瞬間に全員がこうやって立ち上がって運びに行ったりするんですよ。
たったそれだけかもしれないけど、みんな何も考えないでやっているってすごいと思って、ちょっとした衝撃受けました。
それと、入ったばかりの時、できることがあまりにもないから、ここ(部屋の隅)のスリッパを揃えていたんですよ。
でもここって死角になっていて見えないし、気づかれないものだと思っていたんですけど続けていたら、アキちゃんが「いつも揃えてくれているじゃん~」みたいな

<中断>

―まさかのスマホの容量不足で中断。スリッパの話だよね。

はい、見てくれていることに対して信頼が起きました。
単純に褒められたことも嬉しいですけど、こんな私でもちゃんと見てくれていて、メンバーの一人としてみんなは認識してくれているんだ、ということが嬉しかった。
それがたぶん、ビルダらしさな気がします。

―たしかにビルダリッジは「ありがとう」が多い気がするんだよね。
変なマウンティングのし合いもないし、良いことをしたら褒められるし。
それがビルダのキャラクターの1つかもしれない。
そんな中で、これを見る人たちって、転職活動を考えている人なわけで、もっとビルダのことを知ってもらうために、まだまだこんな伸びしろがあるとか、改善点でもいいし、なにか伝えたいことはあるかな?

社員の人数が多いわけではないので、一人の影響力っていうのは本当に自分次第なのかなと。
私は入ったばっかりの時「先月まで学生だったんですけど……」って思いながら、現場に直結したお仕事をいただいたりしていて。
最初は現場につながっている意識もないくらいだったんですが、実際に検査に行ったら自分で書いた寸法で建っている、という実感を持ちました。
自分が作りたければ作れるし、自分はこう思うんです、と言える環境なので、自分次第で伸びしろなんていくらでも、みたいな会社だという気がします。

―会社の伸びしろでもあるけど、入社した人にとっても伸びしろ、ということだね。
じゃあどんな人が合う、逆にどんな人が合わないと思う?

私は、待ちの姿勢だとここでは通用しないと思いました。
例えが細かすぎるんですけど、入社直後に用意されるべきもの、つまりスリッパとか名刺とか「入社セット」みたいものは、自分で取りに行かないと用意されませんでした。
でも私はこれでいいんだと思います。
最近も話題になったんですが、これはあえてそうしているのかも、と思っていて。
言われるまで待とう、みたいなスタンスでうちに来るのはたぶん厳しくなる気がしますし、当時の自分にもそう伝えたいと思ってます。

―ちょうど社内でもその相談があった時に「求められたら出せばいいけど、何でもかんでも会社から用意してくれるっていうわけじゃないから、無くていいんじゃない」って言っちゃった。
必要だったら自分から手上げられるようになるべきだと思う。
必要なものを準備するという仕組みづくりには取り組んでいるから、そういうものを準備しようという気持ちはとっても嬉しかったんだけどね。逆にどういう人なら合いそう?

“気になる”人。
「これはなんでだろう」とか「なんでこうなってんの」みたいなこととか、気にならないと前に進めないので。
マニュアルがある会社だと、たぶん気にしなくても生きていけるんですよ。
ここは気にならないと変われないし物事も進まないので、私もたくさん気になりたいって思いながら過ごしています。
何かが起きた時に「なんで気づかなかったんだろう、もっと気になる性格なら気づいていたかもしれない」っていうタイミングが多くて、必要なスキルだなって思っています。

―友達にどんな会社って聞かれたらなんて答える?

自分次第の会社だよって。

―今まで話してくれたことのサマリーだね。1年半ぐらいいて、経営者である僕に対して、もっとこうしてほしいとかは?

もっと話すタイミングがほしいです。

―確かにこうやってサシで10分15分喋ることは最近そんなに多くないもんね。昔は読書会とかやっていて、最近はリーダーズミーティングとかでしか機会がなくなっちゃったからね。
うちは俺からのリクエストで、月1回みんなでご飯を食べる文化があるじゃん。
その中でそういう時間を取っていきたいなって思いつつ、そこで高説をたれすぎるのもウザがられるんじゃないかっていう思いもあり。
人が増えれば増えるほど、その求めるタイミングみんな違うし、その難しさを俺も考えています。
今日は話を聞いていて、21歳 25歳、30歳、こんなに感度が高くて気持ちも前向きで、悩むことも知っていて、ビルダのこと好きでいてくれてそうだし、ライフステージが変わってこの子はどう乗り越えてくんだろうみたいなのが、すごく楽しみ。
最後に何か伝えたいことある?

ビルダの施工図はまだまだ情報量がないよ、現場で検討することが多いよということを中途入社で来られる方とかによくアドバイスをいただきます。
そうやって自分で考えるべきタイミング、もっとよくできる、まだ余白がある、という感じが私は楽しいんだと思います。
最近は「おさまり」だったりとか、建築の言葉が言語として聞こえるようになってきました。
その「おさまり」について自分で根拠を持って、ここは何ミリだからこっちは何ミリでできるという瞬間があるので楽しい。

―そうすると、施工図チームもまだまだ未経験者でも仲間に来て欲しいよね。
曽根ちゃんと(同チームの)ゲンちゃん、良い師弟関係だしね。
職人さんの負担も減らしながらよりいいものを作れるようになると思っていて、僕もとても楽しみです。
ありがとうございました。